それでも傍にいたい〜先生と生徒の逢瀬〜
朝のホームルーム。
今日も坂上くんは夢の中。
「…坂上くん、そんなに眠いの?」
ホームルームが終わり、私は坂上くんの机に手を置く。
おそらく深い眠りなんだろう、返事がない。
「…坂上くん?起きなさい。」
優しく肩をさすってみる。
「んー…。」
「次は数学でしょ?先生厳しいから起きなさい。」
「……やだ。」
や、やだ?さっきやだって言いましたよ、この居眠り少年!
「いや、やだじゃなくて…。」
「こら!美加ちゃん困らすな馬鹿!」
そう頭を強く叩かれた坂上くんは眉間にシワを寄せ、むくっと起きた。
「ってーな、テメー。」
「美加ちゃん困らせるお前が悪いんだよ、坂上!」
「まあまあ…二人とも…。」
お互い威嚇しあってる二人を宥める。
「あ、もう次の授業の準備しなきゃ。」
腕時計で時間を確認するともう次の授業の準備をしなくちゃいけない時間を指していた。
「じゃ、数学頑張ってね。」
そう言い残して教室を出た。