それでも傍にいたい〜先生と生徒の逢瀬〜
その日の夜。
先生達は私の部屋を個室にしてくれた。人数がどうしても合わなかったそう言ってたけど、きっと先生達の心遣い。

生徒の入浴時間が過ぎ、私は浴場に向かった。
綺麗なホテルで、さすがは私立だな、なんて思う。

村川先生は昔から修学旅行はこのホテルだと言ってた。そう言われると想像しちゃうんだ。ここで笑ってる16歳の私を。

でも、後悔してない。
私にはみんなにはない濃い半年間がある。
そうだよ、私には十分過ぎる収穫がある。あの時間があったから、私は大好きだった英語を、大得意にして英文科だったらここ、そう云われる最難関の大学に入れた。

そうして今、英語教師になれた。いいことばっかりだ。
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