それでも傍にいたい〜先生と生徒の逢瀬〜
加納さんに連れられて来たのは人気のない中庭のような場所だった。

「話って、なに…?」

そう尋ねると、ゆっくり振り返り私を蔑んだような瞳で見詰めた。

「―私、見たんです。5月くらいにどうしても夜中眠れなくて、コンビニに向かう途中に先生が誰かとキスしてるの。」

「そ、それは私だってするわよ。」

頭の片隅でもしかして坂上くんのことかもと気にしてた。でもそれは章だ。
あの日、酷く酔った日、悪酔いした日のこと。

「わかってますよ。先生は教師である前に女ですもん。続きがあるんです、この話には。」
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