それでも傍にいたい〜先生と生徒の逢瀬〜
翌日、少し遅刻して坂上くんはやって来た。
「遅い」
そう言うと、坂上くんはへらっと笑う。
「ごめんごめん。でも来たからいいだろ?」
「来るのは当たり前でしょ?補習なんだから。」
「冷たいなあ、先生!」
「はあ…これ、やって。」
溜め息をひとつして私はプリントをひらひら揺らして坂上くんに見せる。
「はーい。」
長い返事をして坂上くんはプリントを受け取り、席に着いた。
シャーペンを握ってまだ数秒経っていないのに、坂上くんは言った。
「読めません。」
「はい?」
「英語ばっかで無理!」
「それが英語ですけど。」
しっかりしてよ、坂上くん。