それでも傍にいたい〜先生と生徒の逢瀬〜

始業式を終えたホームルームで私と生徒はそんな簡単な自己紹介をした。

そしてホームルームを終え、みんな各々のペースで教室を後にする。

「美加ちゃんってここの卒業生なんだろ?」

「そうだよ。」

ニコニコの笑顔がかわいらしい相沢くんが廊下でそう話し掛けてきた。

「どんな生徒だったの?」


「興味あるの?」

「そりゃあ、美加ちゃん美人だし!」

そう笑う相沢くん。
なんだか照れちゃう。お世辞だってわかってても。

「ありがとう。…そうだなあ、普通の子だったかな?」

「そっか。今度村川に聞こうかなー。じゃ、明日ね美加ちゃん!」

「村川先生でしょ!廊下は走らないの!」

相沢くんは注意を聞かずに嵐のように去っていった。
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