それでも傍にいたい〜先生と生徒の逢瀬〜
「母さんも父さんも妹達もミカに会いたがってるよ。家族が来週日本に来るんだ、よかったらミカ会ってくれるかい?」
「もちろん。私もみんなに会いたい。」
そう答えると、ジャスティンは微笑んだ。相変わらずの綺麗な笑顔だった。
「ありがとう。きっと喜ぶよ。」
ジャスティンは笑い、私の頭を撫でる。
「じゃあ、勉強頑張ってね。…君も、一生懸命勉強するんだよ。」
そう話し掛けられた坂上くんは頭上にはてなマークを浮かばせる。
「んー、あー…ガンバレ?」
片言の日本語を言い、少し照れるジャスティンに坂上くんは「はい」と短い返事。
「So long.」
私の頬に軽くキスをしてジャスティンは村川先生と教室を後にした。
「誰だ、あいつ。」
「新学期から来る英語の先生よ。」
「そうじゃなくて…どういう関係?」
じっと私を見据えるその瞳に吸い込まれそうになる。
「ホストファミリーだよ。」
「…先生、ホストに通ってんの?」
「はい?」
知らないの?まさか…
いやいや…毎年交換留学あったし、今もやってるよね?
「交換留学のときお世話になった家族。」
「あー、なるほど。」
…先が思いやられる。