俺様王子と強気なお嬢様
―in屋上―


ついに、来てしまった。

やっぱり空手を習っていた美里に力がかなうわけがない。


美「あ、いたいた。王子様」


美里は私の耳元で囁く。
私達は壁の影が床に寝っ転がる王子を見る。


み「ねぇ、本当に王子よね?」


私はいつもと違うような王子につい美里に聞いてみる。


美「どうみても王子だけど………
あ、電話に出た!」


幸いにここからは声くらい丸聞こえだ。


‖もしもし、一条だけど。……は?失敗した?何やってんだよ!!!!!………‖

美「…え?王子……なんか違……」


美里はあまりのショックさについ普通の大きさの声を出してしまった。


み「ちょっと美里!声!!」


私が慌てて美里の口を塞いだけど時すでに遅し。

ニセ王子が声に気づいてしまった。


彰「誰だっ!!!?」


そういって電話を切ると立ち上がりどんどん私達がいるほうへと歩いてくる。


美里に助けを求めようと振り返ったらもう美里は逃げたのかいなくなっていた。
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