俺の彼女

雨ということもあって
土曜日なのに水族館は空いていた


チケット売り場の前で愛梨を待つ


待ち合わせ時間の10分前


早く来すぎたかな…


なんて思ってた時


｢芹澤くん!?｣

馴染みのない女の声が俺を呼んだ


声の方を見る
｢あんた…！｣


田牧がモデルとか言ってた女が立っていた


｢キャー！やっぱり芹澤くんだぁ♪｣


馴れ馴れしく近づいてくる
｢アンタ…何してんの？｣


｢もう、アンタじゃないよ。私は由香里。草野由香里だよ？覚えてね。｣


ニッコリと笑う由香里


はぁ…ウゼぇ…


｢ねぇ、芹澤くんは一人できたの？｣


｢水族館なんて、普通一人で来ないでしょ。｣


ため息混じりにいった俺の事など全く無視

由香里は俺の腕に絡み付いた

肉の塊が押し付けられる


｢由香里は仕事なんだけど、芹澤くんがいるなら一緒に回ろうかなぁ。｣


｢…離せ。｣


｢え？｣

｢触んな。｣

由香里の手を振り払った

驚いて立ち尽くす由香里の肩越しに

見慣れた巨体…



｢アンタ…ウザい。
もう俺に関わらないで。｣



俺は愛梨の元に向かった