俺の彼女
帰り道
愛梨の家の近くの防波堤にバイクを止めた



オレンジ色に輝く太陽
その回りは赤やピンクで染められて


きれいな光景なのに

なんだか寂しくなって…
そっと
愛梨を後ろから抱き締めた



「キャッ!
な、な、何?…芹澤くん?」



驚いた愛梨の身体がブルンッと波打つ



クスクス…可愛い



背の低い愛梨の頭の上に顎をのせる


「愛梨ぃ〜?」



「は、はい!」



「好きだよ。」


さらに抱き締める腕に力が入った


「愛梨が本当に好き。
だから…ずっと離さないから。
…離れないから。」



愛梨の身長は俺の肩より下
身体の横幅は俺の倍近い

一般的に見れば
誰もが振り替えるような肥満体型


でも
テレビで見る
ぽちゃ可愛い系の芸人なんかよりも数十倍可愛い



誰よりも
何よりも好きな女の子


愛梨はうつ向いたまま喋らなくなった



「返事は?」


しびれを切らした俺の言葉に愛梨は振り返って俺を見上げた
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