俺の彼女
どうしていいかわからない

この状況から抜け出すために


防波堤を駆け上がった


「え!?
芹澤くん!?」


愛梨が驚いて俺を見上げる

真ん丸で
真っ白で
大きな瞳が可愛かった


「愛梨も来なよ。」


「え!
あ、いや…私は…無理だよ。」


俺の言葉に愛梨の瞳は俯いてしまう


「無理じゃないよ。」


「っつ…無理だよ…。
私…デブだし…。上がれないよ。」



小さな声


大きな体が縮こまる


「大丈夫。
諦めないで。俺が居るから。」



しゃがんで愛梨に手を差し出した

愛梨は
不安げに
泣きそうな顔を上げて


手を出すのを戸惑う



「俺を…信じて?

おいで…。」


何があっても大丈夫
俺がアンタを上まで引っ張るから


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