俺の彼女
おずおずと
愛梨は少し距離を取る


その瞳には俺しか写ってない


それが
俺にあり得ないくらいの自信と喜びを溢れさせる


「い、いくよ。
ちゃんと…掴んでね?」


不安の声


「もちろん。
何があっても離さない。」


俺の言葉に頷いて
愛梨が真っ直ぐ俺に向かって走ってきた



グイッ!!


「キャッ!」


ガシッと掴んだ愛梨の手をそのまま胸に引き寄せる

トンッ
と軽い音と共に愛梨が俺の腕の中に収まった


ドクン
「はい、到着。」

肩で息をしている愛梨の髪が頬を撫で


思わず…愛梨を抱き締めた

柔らかい
フワフワで花の匂いがする

なんだろう…
今までの苛立ちとかチクチクした痛みが

消えていく




あぁ…

俺…この子が相当好きだ…
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