俺様Lessons
「っ……んーんー!」
塞がれた口をなんとか離そうと抵抗するが、ビクともしない。
胸、と思われる場所をバシバシと叩く。
男。
それだけは確信できた。
やっと離れた口からは、荒い二人の息。
「っ……誰!?」
あたしの、あたしのファーストキスを奪った人。
暗いこの空間に、やっと慣れてきた目をこらす。
ドクンッ―――
高鳴る鼓動。
数秒間で、あたしの頭は認識しようと努力しているが、追いつかない。
焦げ茶の綺麗な髪に、透き通った瞳。
すこしピンクがかった唇は、あたしの唇に重ねたもので。
慎重も、180近くはあるだろうと思われる。
モデルより……断然かっこいい。