君に贈る詩*
信じて?
あなたの「信じて?」のことば、信じられなくて…ごめんね?
その日は、確か強い雨が降っていた。
学校からの帰り道、友達とふたりで駅前を歩いていたとき。
「ね、あれ見て!紗弥。
またじゃん!」
隣で歩いている柚未が遠くを指をさして険しい顔で言った。
「あ…」
その方向を見て思わず声が漏れる。
「大丈夫?」
大丈夫…ではない。
何回か経験しているとは言え、大好きな彼氏の浮気を見て、大丈夫なわけがない。
それでも柚未に心配はかけたくなくて、「大丈夫。」と無理矢理作った笑顔を貼り付けて言った。
あたしの無理に気づいたのか気づいてないのか柚未は困ったように笑ってからこう言った。
「本当そういうところ、変わんないんだから。」
その言葉にあたしは苦笑するしかなかった。
3回か…。
心の中で呟いて、はぁとため息をつく。
雨は一向にやむ気配はない。
そんな中、あたしの彼氏、もとい正樹は知らない年上っぽい人と相合い傘をしてじゃれ合って話している。
あたしはそれ以上その姿を見たくなくて、背を向けて来た道をまた歩く。
「ちょっと紗弥。いいの?」
そんなあたしの行動に驚いて急いで追ってくる柚未。
「いいの。」
そろそろ潮時だ。
あたしが正樹を好きかどうかとか、正樹があたしを好きかどうかとか、もう関係ない。
目の前にある『浮気』という事実。
終わりにするに十分すぎる理由。
でも…
「行ってくる!
先帰ってて!」
「え!?」という柚未の声を敢えて聞こえないフリをして、傘を捨てて踵を翻し走り出す。
その日は、確か強い雨が降っていた。
学校からの帰り道、友達とふたりで駅前を歩いていたとき。
「ね、あれ見て!紗弥。
またじゃん!」
隣で歩いている柚未が遠くを指をさして険しい顔で言った。
「あ…」
その方向を見て思わず声が漏れる。
「大丈夫?」
大丈夫…ではない。
何回か経験しているとは言え、大好きな彼氏の浮気を見て、大丈夫なわけがない。
それでも柚未に心配はかけたくなくて、「大丈夫。」と無理矢理作った笑顔を貼り付けて言った。
あたしの無理に気づいたのか気づいてないのか柚未は困ったように笑ってからこう言った。
「本当そういうところ、変わんないんだから。」
その言葉にあたしは苦笑するしかなかった。
3回か…。
心の中で呟いて、はぁとため息をつく。
雨は一向にやむ気配はない。
そんな中、あたしの彼氏、もとい正樹は知らない年上っぽい人と相合い傘をしてじゃれ合って話している。
あたしはそれ以上その姿を見たくなくて、背を向けて来た道をまた歩く。
「ちょっと紗弥。いいの?」
そんなあたしの行動に驚いて急いで追ってくる柚未。
「いいの。」
そろそろ潮時だ。
あたしが正樹を好きかどうかとか、正樹があたしを好きかどうかとか、もう関係ない。
目の前にある『浮気』という事実。
終わりにするに十分すぎる理由。
でも…
「行ってくる!
先帰ってて!」
「え!?」という柚未の声を敢えて聞こえないフリをして、傘を捨てて踵を翻し走り出す。