君に贈る詩*
図書館
彼は必ず毎週水曜日、ここに来る。
そこで一言だけ言葉を交わす時間が一番好き。
「こんにちは。」
「こんにちは。」
図書委員のあたしと、名前も知らない彼は毎週水曜日、こうして言葉を交わす。
それがいつからだったかははっきりと覚えてない。
でも、彼は挨拶以上のことも挨拶以下のことも望んでない。
その証拠に彼は自分から挨拶をして、あたしが挨拶を返すと同時に借りていた本を置いて本棚へと足を進めてしまう。
よくわからないひとだ。
それでも彼と交わすこの一言がとても嬉しくて、心が暖かくなるのを感じる。
名前が知りたい、もっと会話をしたい、どんな人か知りたい。
欲を言ったらキリがない。
でも今は。
これだけで十分、かな…?
図書館
(いつかは彼を名前で呼べますように。)
そこで一言だけ言葉を交わす時間が一番好き。
「こんにちは。」
「こんにちは。」
図書委員のあたしと、名前も知らない彼は毎週水曜日、こうして言葉を交わす。
それがいつからだったかははっきりと覚えてない。
でも、彼は挨拶以上のことも挨拶以下のことも望んでない。
その証拠に彼は自分から挨拶をして、あたしが挨拶を返すと同時に借りていた本を置いて本棚へと足を進めてしまう。
よくわからないひとだ。
それでも彼と交わすこの一言がとても嬉しくて、心が暖かくなるのを感じる。
名前が知りたい、もっと会話をしたい、どんな人か知りたい。
欲を言ったらキリがない。
でも今は。
これだけで十分、かな…?
図書館
(いつかは彼を名前で呼べますように。)