恋‐コイ‐【詩集】
*キミはキャプテン*
“キミはキャプテン”
ホイッスルと共に歓声がわいた。
キミがキャプテンになって初めての大会で優勝した。
部員の皆がガッツポーズをしている中でキミは、一人だけ空を見上げていた。
あたしもつられて空を見上げるけど、そこには綺麗な淡い青色の空と
ヒコウキ雲が描かれてるだけだった。
あたしは、またキミに目を移すけれどキミの姿はなかった。
キミを必死になって探してやっといたと思ったら
キミの肩は震えていた。
ホッと一息つくと微かに聞こえる鼻をすする音を聞きながら
近くにある壁にもたれた。
今すぐ横に座ってキミを抱き締めて‘頑張ったね’って言いたいけど
キミの手に握られている見知らないお守りを見て
その勇気がどこかへいってしまった。
キミを応援する人物があたしだけじゃないなんてわかってる…
ただ、キミに想われている人がいたことを知ったのが嫌だっただけ。
だから、キミに背を向けて涙を流してるの。
キミとは全く違う意味の涙。
マネージャー。
あたしが一番キミのみじかに
いられるって思ってた。
そんな考えが甘かったのかな?