小島よしお

「・・・帰るよ。」

「…うん。…タクシー呼ぼうか?」

「駅行けばあるだろ、大丈夫」

近所の目を気にして、俺はドアを半分あけ、
最後のキスをする。

気持ちと一緒で小雨が降っていた。

駅まで小走りで10分。
たばこを吸いながら今日を振り返る。

“ありえないことなんだよな~”

“ばれたら大変なことなんだよな”

でも、祈りといることが当たり前で自然に感じるせいか、全然びびらない。

カミサンへの言い訳もろくに考えていないのに。

ばれたらばれたでいい。
“なに、浮気してんの?”

そう言われても

゛そんなの関係ねえ”

いや違う。

“だから?”

平気で言えるだろう。 帰りのタクシーで祈りにメールを打つ。

「告白って?何言ってほしかったの?」

「なんだと思う?」

「結婚しよう?」

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