小島よしお


祈りの仕事が終わるまで、自転車屋を回る。

・ ・ない

・ ・ない

理想の自転車がなかなか見つからなかった。

美味くて、安くて、早いの。

そりゃ見つからないよな。でもいいのさ、今日の目的は変わったのだから。

デパートに行き自転車を見ていた俺の足が“ピアス”売り場へと向いた。

祈りが
゛安いピアスでいいから欲しい、ずっと付けていたら、彼方をずっと感じていられるから゛
と言っていたからだ。

安いっていっても、いくらが基本なんだ?わからん。
本当に安いの買って謙虚なふりしただけなのに・・
なんて、怒られるならまだしも、呆れられてもなぁ。

まあでも、ピアスって高いっていってもそんなでもないから深く考える事もないか・・

そんなことを深く考えながらピアスを見ていた。

すると、
「今、どこ?」

「祈りからメールが入る」

「う~ん、○○駅近くだよ」

「ふ~ん、今から自転車でそっち行こうか?」

「はあ?二駅離れてるんだぜ?」

「大丈夫だよ、すぐ会いたいもん」

ったく、可愛いやつめ・・。
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