小島よしお


「ところでさあ、好きな映画ある?」

「そうだな、セブン好きだぜ、最後の自分の母子が殺されるオチなんて最高だね。よくも悪くも、そういう人の心を動かすような小説書きたいよな」

間髪いれず

「あたしはね、ダンサーズインザダーク!絶対泣くよ!!」

゛おいおい俺のセブン話しはどうなった・・、
まあ、いいけどさ…。゛

「ほんとかよ、俺は泣くとか期待させられて泣いたためしがないんだぜ」

「絶対、泣くって!、なんなら、ビデオ借りて今から家で見る?」

「見る!」

「よ~し、決まり!」

あっさり祈りの家に行くことに決まった。

「絶対、旦那帰ってこないだろうな?」

「大丈夫。でも嫉妬するようなもの置いてあっても気にするなよ?」

「ああ、そりゃ大丈夫だ。今回に関しては仕方ない」

気づけば居酒屋で2時間がたち時間も押していた。

時間がたつのが早い。

「一応、終電目安にしないとな。」

「じゃあ、そろそろ行こうか?」

「おう!!」

全然やばいことする雰囲気ではない。

いたって明るい二人。

まさにバカップル・・。

しかし、21時をすぎた今、残り3時間弱がリミットだ。

「トイレに行ってくるから会計しといて~」

俺が1万円を渡そうとすると、
祈りは“大丈夫”と言う。

「え~、いいの?」

「うん。」

祈りに甘えた。

“ご馳走様である”

このあと、祈りの家で祈りにもっと甘えるわけだが・・。

“ご馳走様である”
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