小島よしお
“し~ん”

そ~っと、祈りがドアを空け部屋に入る。

「あいよ」

「おっじゃま~」

「どうぞ~」

「おお~、これが愛の巣ですか~、詮索してもいいのか?」

「蜘蛛の巣だけどいいよ~」

そういいつつ、

「ああ~、ちょっと待って~」

と慌ただしい祈り。

俺は

ふ~ん、ほ~、

と、一人暮らしの女性の家を思い浮かべる。

旦那と生活している形跡がなかったのがそう思わせるのか。

それが祈りの気遣いなのか・・

“裏返されたカレンダー“と
“伏せた写真たて”

には気づいたが・・

思ったほど嫉妬はしなかった。

何故か・・

祈りが危険を冒していることが自分に安心感を与えているのだろう。

「シャワー入る?」

何をしていいかわからず、ボーっとソファーに座る俺に言う。

「ああ、入ろうかな」

俺はリビングで服を脱いでいく。

祈りの前で服を脱ぐのは、もう大分慣れていた。

そして何故か俺のあそこは立ってきていた。
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