水色の風
部屋のど真ん中で自分を抱きしめながらキモいセリフを言ってる男がいるっ!!!
「羽田さん、待たせたね」
店長がキモ男を素通りして私のもとに来た。
「羽田さんには気の毒だけど後ろにいるあの《キモい男、キムくん》に新人指導してもらいます。ごめんね…」
えっ!!
マジかよっ!!
嫌だなぁ…
「えぇ!?店長嫌ですよぉっ!!」
頼む。マジで嫌だ!!
「ごめんね…今、この店にはキム君しかいないんだよ…皆あのキモさに負けてこの店を辞めて行くんだ…」
ヤバい…
辞めたいけどお金がないし
「分かりました…出来るだけ頑張ります…」
「すまない…」
そう言って店長は走って逃げて行った。