恋せよ男女（オトメ）

『気付いていないみたいだな・・・』



寝る前に置いてやった机の上の食べ物も飲み物も全く手をつけた形跡はない。



「・・・・・。」



「結衣ちゃん・・・・・」



聞こえるか聞こえないか、邪魔にならないくらいの声で呼んでみた。



「・・・・・。」



全く気付く様子はなかったので慎一郎はそのまま声をかけずに身支度をすませ出かけた。



「はぁ～」



結衣が一段落したのは、お昼を少し過ぎた頃。



「慎ちゃん～っ」



慎一郎の部屋をノックした。



「慎ちゃん？！」



返事がなかったので、ドアを開けて覗いてみた。



「いないのか・・・・・」



リビングに戻ってみるとテーブルの上にはサンドイッチが置いてあった。



結衣ちゃんへ・・・・・


お疲れ様～お腹が空いたら食べていいよ。



慎一郎からのメモを見て、



「買って来てくれたんだ～」



結衣はサンドイッチをくわえながら作業に戻った。




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「着替えに帰ろう～」



一息入れるのと明日の学校の用意をする為に、夕方慎一郎のマンションを出た。



家に戻った結衣は２日間あまり寝ていなかったからか、ベッドを見たとたん睡魔に襲われ倒れこんだ。