care
「なんでもいいんだよ。お母さんのお手伝いをするとか、負担をかけないとか…なんでも。出来ることをみんなでやっていこう…な?」
そう言って父は兄の頭を撫でた
俯いたままの兄を見ると
今にもこぼれ落ちそうなほど目に涙を浮かべて
ちいさく握った拳は微かに
――………震えていた
私は何も言わなかった
……言えなかった
泣きながら話す父達を
なぜだろう…
私は泣くこともせず
その光景を
まるで
テレビの画面を見てるかのように
眺めることしか
出来なかったんだ――…。
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