繭(まゆ)
式場に着いたら、私は控え室に用意されていたベッドに寝かされた。
そこで待っていたのは、私の母。
泣きはらして赤い眼の周りが、また痛々しい程に赤く、胸が締め付けられた。
「まゆちゃん、おはよう」
「ちゃんとミルク、飲んでる?」
やさしい手で頭を優しく撫でられ、私は思わず声をあげた。
再び目元に白いハンカチを当てて、
「ごめんね。ばあば、泣いてごめんね」
といいながらまた泣く母に、私は大声で叫びたかった。
私、ここにいる!
お母さん、私は
ここにいるよ──