繭(まゆ)
初恋
「私、拓海くんのこと好きになっちゃったみたい」
ふわふわとした髪の可愛い子、彩未ちゃんがこっそり耳打ちしてきた。
一応、クラスでは親友ってことになっている。
「へぇ、そうなんだ」
誰かに恋の相談なんてされるの、何年ぶりだろ?
お昼休み、ベンチに腰掛けながら恋の話をするなんて、ますます昔のこと。
とりあえず、話を聴く。
それが肝心。
「拓海くんの、どういうところがいいの?」
「えー、照れるし!」
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