繭(まゆ)
病院に着いたのは、夕方になってからだった。
心配した実家の母親が、電話をしてきたのだ。
「佐和子、気分悪いの?様子おかしくない?」
「大丈夫、だいじょうぶ」
それから、一時間後。
母は新居の玄関に立っていた。
「淳一さんにも向こうのお母さんにも連絡しておいたから。二人とも、すぐにこっちに来るって」
「・・・・・・ありがと」
病院の待機室で、母はずっと私の腰やら背中をさすってくれていた。
酷い目眩がする。
身体中がねじれてしまいそうな激痛は時間とともに頻繁になってきて、私は何度もクッションに頭を打ち据えた。
なぜ、こんな目に合わないといけないの?
私が何か悪いことをした?
ねぇ・・・・・・