ABOUT U
潮風が冷たい海辺
時刻は午前1時を過ぎた所

もう夜過ぎて東京湾の汚さすらわからない

船やビルの細かい無数の電気に照らされた海はむしろ綺麗にすら見えた

お台場に立てられた巨大ガンダムを目指しひたすら歩く

濃い3年間の思い出はいくら話しても尽きない

なかなか出てこないガンダムに諦めかけて

「あーもうあの白いとこにガンダム寝てんじゃない?」

と適当な事言ってると

まさに突如現れた噂のガンダム

と言うか夜中なのに人が結構居る

みんなガンダムに関係する単語を口走っている

照明すら消えてる時間。

何度試しても暗すぎて携帯のカメラには写らなかった。

あんまりにもあたしが試行錯誤してるから

「また明るい時に連れてきてやるから!」

と一瞬肩を寄せられた

ドキッ

としたもののそこにいやらしさや下心は感
じられない

中学時代の同級生和也はそう言う奴だ

失恋で弱っている女の子が自分に頼ってきても弱みに漬け込むような事はせず、ただ話を聞いて励ましてくれる優しい男だ
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