一つの物語
回りはさらに暗くなり、人通りがまったくない。
宮は、まだドキドキして、一歩に顔を見られないように、少し前を歩いていた。
(まだ、顔、赤いがするし、まともに一歩と話せないよ~。)
宮は、前を向かずに、下を向いていた。
いきなり一歩が前を歩いていた宮の手をつかみ、引っ張った。
「オイ!!宮!!あぶね~!!」
宮の前から車が来ていた。宮は、道の真ん中を歩いていた。
宮は、無防備な状態で引っ張られたため、二人とも道わきに倒れてしまった。
宮が倒れて目を開けると、自分の体の上に一歩がいるのに気がついた。
一歩も目を開けて、宮が自分の下にいるのに気がついた。そして、宮と目が合ってしまった。
人通りはない。回りには、虫の音が聞こえてくる。
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