一つの物語

曇りのち雨

次の日の朝。
昨日の天気とは、変わって、どんよりした曇り。
一歩は、学校に登校しようと、ドアを開けた。
そこには、学校に行こうとする宮がいた。
一歩は、少してれて、
「おはよう。」
宮も、少し顔を赤くして、
「うん……おはよう。」
そして、二人は並んで学校に言った。
二人は下を向いて、たまにチラッと見る目が合って、すぐに目を背けた。
それを何回も繰り返した。
沈黙だけが続いた。自分たちの心臓の音がやけに耳に響いた。
宮にとってその時間が、うれしかった。
一歩の気持ちが気になる時でも、あった。

雲がさらに一層厚くなっていく。