一つの物語
宮は、左野香に、
「一歩に何かされた??大丈夫??」
宮は、ちょっとだけ間を置いて、
「いや、別に何もなかったよ。」
「そう、それならよかった。」
「ところで、宮さんって一歩君と仲いいんだね。」
「えー、どこが、ただの家が隣りってだけだよ。よくケンカするし、すごくムカつくよ、コイツ。」
と笑って答えた。
一歩は、
「そう。いつもおせっかいだし、俺の邪魔ばかりするし。」
「はい??いつもドジだからでしょ。」
「うるせ~、コノヤロ~」
と、今日のお昼休みは、宮との言い争いでそれを聞いて笑う左野香と三人で、しゃべった。
チャイムがなった。
朝にできていたきれいな虹は、スッカリきえてしまった。
一歩は何か不思議な気持ちになっていた。
左野香を見るたびに。
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