一つの物語

一歩は、最後の授業中もウトウトしていた。それに気が付いた左野香は、ノートを半分ほどちぎり、何か書いて一歩の方の机に渡した。
一歩は、それに気が付いた。
（何だろ??）
紙には、メルアドが書いてあり、
『コレ、私のメルアドよかったら、今晩メールして!!』
何度か読み直した。一歩は、一気に目が覚めた。
（え～、女子のメルアドなんて宮ぐらいしかいないし～、どうしよう??）
一歩は、チラッと左野香の方を向いた。
左野香の色白のホッペがうっすら赤くて、恥ずかしいそうにして、下を向いていた。
（ヤベ～、この顔かわいい!!また、ドキドキしてきた。）
一歩は小声で、本当に小さな声で、
「うん。わかった。」これが、精一杯だった。
それを聞いた左野香は、コクッとうなずき、少し笑った。