昭和お笑い暗黒史────戦艦「大阪」解体大作戦
「ちょっ………どどど、どないすんねん?!」
相手は世界屈指の実力を持つ米軍機である。いくら空を飛ぶとはいえ、こんなボロ船一隻で………、
「太郎君、格納庫に伝達。艦載機を全機、発進させる。」
『了解。格納庫要員に通達します。』
「…………艦載機………?」
んなモノがあったとは、またまた初耳である。………てか、聞いてもいないが。
「大丈夫なんかいな?その、艦載機の性能は………。」
訝しむ俺に、林のオッサンはまた微笑みかけてきた。
「フフフ………。アレを見て、腰を抜かさないよう気をつけてくれたまえよ。」
………既に、嫌な予感がする…。
バシュッッ!
バシュ、バシュッッ!!
しばらくして、後部甲板からカタパルトの射出音らしき音が複数聞こえた。
「さ〜〜〜て。敵さんの慌てふためくサマを聞いてやろうか。」
オッサンが、いかにもイタズラ好きな感じで通信バンドをいじりだした。………ほどなくして、米軍機の周波数を捉える。
『………おわぁっ?!何だ、あの丸っこいのは!!』
『い、今、なんか口から噴き出したぞ………ぐわっ!!』
『メイデイ、メイデイ、メイデイ!こちらチャーリー!不明機より攻撃を受け、飛行不能!!』
『く、クソォォッッ!ふざけやがって!』
『ブラヴォー機、被弾!駄目です!高度が保てません!!』
『隊長!隊長!応答して下さい!………クソッ、駄目か………!!』
「ククク………。圧倒的じゃないかね、我が軍は………。」
まるで、「どっかの公国の総帥」のような不敵な物言いで、オッサンがそう言い放った。
(……もしかして、それが言いたかっただけか………?)
しかし、確かに通信を聞く限りは(何故日本語に変換されているかなどの疑問は残るが……)、アメリカ空軍が世界に誇る名機、ホーネットを、『大阪』の艦載機が押しまくっているようだ。
(一体、どんな強力な機体が………?)
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