昭和お笑い暗黒史────戦艦「大阪」解体大作戦
ズガァンッッッ!!
何の前触れも無しに、船を下から突き上げるような衝撃が走った───!
『艦底部に被弾!被害軽微!』
太郎の吹き出しも周りがギザギザしているものに変わり、緊張している様子が伺える──!
(…………下…………?)
………今度は、一体何だ?!
「下部モニターを!」
オッサンの命令で、すぐに航行中の『大阪』より見下ろした地上の映像が映る。
地上の道路、御堂筋を、上向きの砲台を持つ戦車がゆっくりと走行しながら砲撃している。
「対空自走砲だ…………!」
アメリカは、余程この船に危機感を抱いているようだ。
護衛の戦車も加わり、今や、「下」の車両の数は30を軽く超えている。
「お、おい、何とかせんと!!」
上と下からの挟撃という絶体絶命のピンチにも関わらず、
「ククク………お次は陸軍か。奴らめ、これからどんな恐ろしい目に遭うかも知らずに…………。」
オッサンは、また気色の悪い笑みを口元に浮かべている………。
「対地制圧兵器、用意!」
『了解。対地制圧兵器、重力落下にて交戦予定地点に投下します。』
(………次は何だよ、一体…………。)
ガコンッ!
ガコンッ!
ガコンッ!
格納庫から「何か」が落とされていく衝撃が艦橋にまで響いてきた。
そしてオッサンは、今度は陸軍の通信バンドをチューニングしだした。
「………♪っあ、と〜〜れとっれ、ぴ〜〜っちぴっち、カニ料理〜〜♪っとくらぁ〜〜っ!」
…………オッサンのその鼻唄が何を意味しているのか、俺は考えるのを止めた。
考えてはいけない。そう、考えてはいけないのだ。……………カニの看板が戦車を踏み潰している様子なんか……………っっっ!!!
.