昭和お笑い暗黒史────戦艦「大阪」解体大作戦
『………要は、この戦闘があなたの私利私欲の為では無く、人命も金銭も浪費しない「安上がりな戦争」を、世界中に見せつける為の、いわば、デモンストレーションとして行われているのだと言いたいのですな、博士……。』
もはや確認するまでもない、聞き覚えのある声が通信から割り込んできた。
「その通り!いい頭しとるな、エージェントスミス!」
『……お遊びはここまでだ。かくなる上は、我々も最後の奥の手を使わせて貰おう。』
「最後の………孫の手?」
林のオッサンのからかいにも反応を示さずに、通信は切れた。
…………と、
──ズシン!
──ズシン!!
空中にいる戦艦『大阪』にまで響くような衝撃波が、大阪の街を襲う──!
(あぁ、もう、何でも来んかい。)
慣れとはやはり恐ろしいもので、ここまで色々とワケの分からんモノを並べられて、少し感覚が麻痺し始めているようだった。
──────だが。
大阪湾の方角から、悠々と歩いてくる「それ」を見た時、完全に、固まってしまった───。
高々と上げられた右手に握られた、トーチ。
左手に握られた聖書。
トゲトゲの付いた冠に、
ヒラヒラした服を着た、あの女性は─────!!
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