昭和お笑い暗黒史────戦艦「大阪」解体大作戦
「それでは、第一問………。
『今年の暑は、夏いねぇ。』なんて、言葉を入れ替えるのがありますが、では皆さんも何か、『○○の○は、○いねぇ。』などと、色々入れ替えてみて下さい。」
(………くっ、随分と、本格的だ………!)
こうしている間にも、あのフランス生まれのアメリカ女はフグとカニを蹴散らしつつ、近付いてきているのだ。
逸る気持ちを抑え、俺は手を挙げた。
「お、早いね。ではカジさんから。」
「『今年の鶴は、来るのが遅いね』を入れ替えまして、『あの司会のツルツル頭は、逝くのが遅いね』。」
ハハハハハ………。
(………しまった!)
観客席は大ウケだが、頭と寿命を同時にイジられた司会者は不機嫌そうだ。
「ヤマダくん、カジさんの持って行きなさい。」
(くそ……………っ!)
その後、あまり良い作は出ないまま一問目が終わった。俺の座布団は0のままだった。
「では二問目行きましょうか。ヤマダくん、例のモノ皆さんに配ってくれるかな。」
『はい、かしこまりました〜〜。』
闘いは、続く………。
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