昭和お笑い暗黒史────戦艦「大阪」解体大作戦
──ピコーン、ピコーン、ピコーン………。
『……ジ……ジェヤッッ!!』
……と、その時、いきなりモニターに映る『グリコ』が苦しみだした!
そして、胸の「グリコ」の文字が点滅し始める………!
「………いかん!活動限界だ!」
「あ〜〜、その先、言わんでもええから。あのキャラメル一個で百メートルしか保たへんっていうんやろ?」
「梶山君!な……何故分かる?!」
「や、俺、実は超能力者やから。」
多分、幼稚園児でも分かるがな………。
ピコーンピコーンピコーンピコーンピコーン……、
『ジェ……ジェヤッッ!!』
身をよじり、苦悶の表情を浮かべる『グリコ』。追い詰められた彼は、最後の力を振り絞って………!
(………まさか、自爆かっ?!)
「やめろォォォーーッッ!!」
その目に覚悟のようなものが宿ったのを感じた俺は、届かない事を分かっていながら、モニターに向かって叫んでいた───!
…………だが。
ドドドドド…………!
…………ピョンッッ!
『…………ジェヤッッ!!』
『グリコ』は再び御堂筋を駆け抜け、戎橋の看板へと戻っていったのだった。
………太郎たちの視線が、痛い………。
「…………くっ…………、何という事だ………!」
悔しさのあまりか、床にへたり込んだオッサン。
「……かくなる上は………!」
オッサンは俺と太郎たちを見るやいなや、パキン、と指を鳴らした。
ヒョイッ!
ヒョイ、ヒョイッ!!
すると、今まで大喜利の回答者をやっていた5体の太郎たちが、自分が獲得した座布団を、俺の所へと積み始めたのだ────!
見る間に座布団はうずたかく積み上がり、そしてその枚数は、ちょうど10枚に達している───!
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