昭和お笑い暗黒史────戦艦「大阪」解体大作戦


「………と、いうわけで、今回の優勝は、梶山君で〜〜〜す!!」

ワァァァァ────!!

湧き起こる歓声。

舞い散る紙吹雪。

太郎たちはバンザイ三唱で祝福してくれている。


そんな中で危なっかしいバランスの座布団10枚の上に座った俺は…………当然ながら、白けていた。


「………いや、だから!こういう反則技がアリなんやったら、なんで最初っから使わへんねんっっ!!!」

「フフフ………さぁ!太郎君!艦首大喜利波動砲、発射カウントダウンだっ!!」

『了解!発射シークエンス、最終カウントダウンへと移行します!』


俺の魂からの叫びは軽く無視され、いよいよ、この艦の最終兵器が作動しようとしていた。


『当艦直下の「自由の女神」に動きがあります!』


太郎の絶叫に近い吹き出しにモニターを見てみれば、『自由の女神』が膝を深々と折り曲げて、まるで体力測定の垂直跳びのような、「ため」を作っている───!


「まさか……!ここまで、跳び上がってくるつもりか……っ?!」


『艦首大喜利波動砲、最終カウントダウン開始します。』


(………どっちが先だ……?!)


この艦の最終兵器がアメリカの象徴を撃ち抜くのが先か───、


それとも、帝国主義の権化が、この大阪の象徴を破壊するのが先か───。


俺は、緊張のあまり、唾をひとつ呑み込んだ。





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