昭和お笑い暗黒史────戦艦「大阪」解体大作戦


「………ぃよっしゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっっ!!!」

偉大なる勝利を祝い、『大阪』中が、歓喜の渦に包まれた。

再び舞い散る紙吹雪。

各所で起こる、太郎たちの万歳三唱の嵐。




司令所では、太郎たちが集まって、まず司令官の林のオッサンが、次に、艦長である俺が胴上げされる。

そう、俺たちは勝ったんだ。あの、アメリカの権化に………!


「………いや、予想以上の見事な艦長ぶりだったよ!梶山君!」

胴上げのせいで上気した気持ちを隠そうともせず、オッサンが喜びを爆発させている。

「……んな事ないよ。大した事はしてへんしな。」

「ま〜〜〜たまた!謙遜も、時には罪となるぞ!もっと胸を張りたまえ!こう!こうだ!胸上げ式〜〜〜なんてな。」

気色悪いポーズを取るオッサンに、俺は思わず、「その言葉」を、言ってしまった───。




「ハハ、な〜〜んや、それ。ごっつう、サムいがな!」




─────その、瞬間。

この艦にある全てのものが、その動きを止めた気がした。



────────サム。


─────サム。


──サム。



俺の発したその言葉だけが、まるで、意志を持ったかのように、艦内に響き渡っていく────。


………………そして………、



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォーーーーーーッッッッッ!!


この艦が起動した時と同じような激しい振動が、再び船全体を包み込む───!


すると、艦内の照明が一斉に消え、外装に、壁に、床に、天井に、真っ黒な亀裂が入りだしたのだ─────!!





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