昭和お笑い暗黒史────戦艦「大阪」解体大作戦
♪る〜〜る〜〜る〜〜る〜〜る〜〜〜〜〜、
る〜〜〜〜〜〜……………♪
………曲が、終わった。
「さぁ………もう、行ってくれ。太郎君をひとりつけるから、問題なく地上に戻れる筈だ。」
ゴシゴシと顔を袖で拭いて、微笑んだオッサンの顔が、今までとは違って見えた。
「アンタは…どないすんねん。」
「さぁ………どうしようかね。」
言わずとも分かる。オッサンは、この船と運命を共にするつもりなのだろう。
パラシュートを背負った太郎たちが、司令所に集まりはじめた。
「太郎君たち………今までありがとう。彼の事………頼んだよ。」
『…………………了解。』
太郎たちも、何かを感じているのだろう。その眉毛を動かす回数も、いつもより少なくなっていた。
「さ………もう、行ってくれ。」
そう言って、俺の背中を押すオッサンだったが………俺は、こんな別れ方には、納得がいかなかった。
「………………ねん。」
「…………ん?」
「……なんでやねん!何でそんなに、簡単に命投げてまうねん!」
気がつけば、俺は叫んでいた。
「復讐でもええやん!エゴでもええやん!アンタの造り出してこの船、最高やったで?!」
「………梶山君………。」
「この船やったら、オッサン言うてたみたいに、今までみたいに戦争で人死なへんし、金かからんし、最高やんか!その分、貧しい人とか、地球環境とかに金回せて、ええやんか!もういっぺん、やってみよらよ!この船の、戦争を!」
止まらなかった。今まで溜め込んでいた思いが、一気に吹き出してきた。
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