しなやかな腕の祈り
お互いの目が合った時、確かに時間は止まっていた。








お母さん。








この人が、あたしのお母さん。








ちょっと擦れた感じの、悪っぽい雰囲気をもった人。鼻と口のパーツが、あたしと一緒。







『た…かほ??』






お母さんは、あたしの名前を確かに呼んだ。声もあたしと似てる。




『お母さん…ですか。』







喉の奥から絞り出すような声で呼んでみた。







「多嘉穂…やんな???何で…何でおんの???何でここが分かったん…ぁんた…」



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