しなやかな腕の祈り
そう答えると、静香叔母さんは急に泣き声になった。何で泣き声になるのか理解出来なかったけど、電話の向こうで叔母さんが安堵の涙を流しているのだけは分かった。



『良かった…姉ちゃんが元気で、生きててくれて』

「え???」



久しぶりに義姉の近況を聞いたとして嬉しいのは分かるけど…





生きててくれて…????






『あっ…兎に角元気で良かったって伝えて』



静香叔母さんはそれだけ言うと一方的に電話を切っていった。



「変。」



静香叔母さんが変わった人だってことは分かっていたが、やはり変な人だ。



「多ぁ嘉穂ぉ-!!!ご飯やでぇ-!!!」



一階から、鍋を叩きながらお母さんがあたしを呼んでいる。お母さんとの再会から、何となく時間が過ぎて明後日の昼間にはまた…お母さんと離れてしまう。生き別れみたいな感じだった時間はまた開いてしまう。



「今行きまぁす」



返事を返して、あたしは後悔したくない気持ちを胸に一階へと急いだ。
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