満月の夜に魔女はワラう 第一部 新月の微笑

7-Ⅲ

千草が目を覚ました時、その目には誠の影から伸びる手が誠を侵食していた。

千草はそれが何かを知っていた。そしてその対処法も…。

存在しないはずの者が不安定な魂を取り込み、世界で生きる器を手に入れる為の行為。


それが悪魔がとり憑くという行為。


「どうするの?

チェーンの使徒さん?」

傍らではglasses witchがクスクスと笑っている。


千草は立ち上がり槍を構える。

少しふらついたが問題は無いようだ。

相も変わらずglasses witchはクスクスという笑みを崩さず、千草と誠をその視界においている。

「くそっ」

千草は毒気づいた。

誠を悪魔の侵食から護る方法はある。

しかし、glasses witchはそれをゆるしはしないだろう。


…一撃でglasses witchを仕留めて黒岡くんを…

千草はglasses witchの中心に向け再び槍を構えた。

その瞬間だった…。
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