満月の夜に魔女はワラう 第一部 新月の微笑
「アホが。いつまでやってんだよ。」

ボカっ

glasses witchの頭がボカンと大きめな拳骨で叩かれ、glasses witchは前のめる。

その男は瞬間に現れていた。そしてglasses witchの頭を拳骨で殴り、親しげに話しかけている。


「え?」

その人物を見て千草は思わず槍を落とした。

カラァンと千草が手放した槍が音を発し、男の意識を千草に向ける。

「せ…先…輩…。」

千草の目に見えるのは紛れもない…自らが先輩と慕い、そしてglasses witchの魔法によって葬られたはずの………。

…鷹乃尾 幸政がそこにいた。

「おう、千草。」

幸政は片手を挙げ、顎で誠を指した。

「今はそれよ…「なに~~~もういいの?」

幸政の声を遮り、女の声が響く。緊張感の一切ない、まるでギャルみたいな…なんか馬鹿っぽい声。

その聞きなれない声はglasses witchから、glasses witchにまとわり憑く影から発せられていた。
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