満月の夜に魔女はワラう 第一部 新月の微笑
「じゃぁ。次いこうかな。」

イトーは仕切り直すように携帯から次の画像を呼び出した。

「二件目はさっき話した鏡だから飛ばすとして…。」

イトーは携帯の画面を再び誠と千草の間に置いた。

「なにこれ?」

携帯の画面を見て千草はポロっと呟いた。

画面に写っているのは一本の木である。木の後ろには神社らしき社が見える。

「これは神社の御神木っていうのかな。まあ、平たく言えば300年以上前からあるただの木かな。」

イトーが画像に説明を付け加えた。

ん?

誠は画像の不自然な点に気が付いた。木の根本の部分が一部が縦に真一文字のように切り取られている。

まさか…。

「木の一部を切り取ってったのか?」

「ビンゴ」

イトーはそう言いながら携帯の画像を拡大した。

拡大された画像では切り取られた部分がよく見え、綺麗に長方形に切り取られているのがわかる。

「え~と、大体長さ1m位かな?」

イトーは画像を見ながら言った。
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