満月の夜に魔女はワラう 第一部 新月の微笑
「あ、すいません。」

誠は自分の行動を恥じた。

…サスガにまずかったかな。

そこで誠はようやくシッカリと女性の顔を見た。

………ん?どっかで見覚えが…。

同時に女性も少しだけハッという表情を見せた。

…知り合いかな?

でもまぁ、あんまり見ない方がいいだろ。向こうも知られたくないだろうし…。

「それじゃぁ。」

誠は女性に背を向け歩き出した。
……誰だったかな…。

誠は歩きながら考えた。

見たことのある。というか知っている相手のような気がするが、コスプレのせいであるのか、判別がつかない。

…あのコスプレは魔女…か?

…あっ………。

もしかして………。

誠はゆっくりと女性の方に振り返った。

この時点で誠の頭の中ではコスプレの主が誰であるのか目処はついていた。

誠が振り返った先、そこには静かに闇を纏った街並みだけが存在していた。

「あれ?」

誠の視界の中には先ほどのコスプレの主はいない。

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