満月の夜に魔女はワラう 第一部 新月の微笑
フー、と綾香は息を吐く。

「バレちゃったか。」

「仕方ないね。」

綾香はシッカリと誠を見据えた。

その顔からは笑顔が消え、真剣な表情となっている。

「そう。私が怪盗glasses witch。認めるよ。」

綾香はそう言い再び笑顔に戻った。

「ところでさ、お腹すかない?」

…は?今はソンナこと…。

「あ、もう七時過ぎてるじゃん。」

綾香は壁に掛けてある時計を見ながら言った。

「今はソンナこ…。」

「誠も食べるよね。ラーメンでいい?」

誠の声は綾香には届いていないようだ。

こうなった綾香にはもう声が届かない。

綾香はワザとシカトしているわけではない。

残念ながらそういう性格なのである。

「塩でいいでしょ。」

ちなみに綾香はラーメンは塩派である。
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