満月の夜に魔女はワラう 第一部 新月の微笑
「そんな気は無いけど…。」

「辞めろっていいたいんでしょ?泥棒。」

綾香の表情は変わらない。

誠は静かに頷いた。

「それはどうして?ただの正義感?それとも幼なじみが警察に捕まるのを心配して?」

綾香は言葉の最後にクスリと笑った。

「そりゃあ、幼なじみに捕まられたらこまるからだよ……。」

それを聞いて綾香はフフと笑った。

「それじゃあ。アタシが捕まらなきゃいいんだよね。」

「それは。」

「ならさ、アタシのサポートやってよ。お手伝い。」

「そうしてくれたらアタシももっと安全に盗みできるし。」

………そう来るか。相変わらず考えが読めないな。

でも、そばにいた方が何かと都合がいいかもな。

「わかった。手伝うよ。」

そう言った誠に向かい、綾香は、ありがと、と言いフフっと笑った。

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