満月の夜に魔女はワラう 第一部 新月の微笑
「は?姉さん?まだ見せてないよ。」

「そんなことしたら警察が先にみつけちゃうかもしんないしね。」

イトーは真面目な顔つきで言っている。本気でglasses witchを捕まえるつもりのようだ。

…とりあえずは大丈夫か?
「ちょっとよく見せてくれ。」

誠はそう言いながらイトーの手から携帯を取り上げた。

「この画像バックアップとってあんの?」

誠はじっくりと画像を見るフリをしながら精神を落ち着けた。

「バックアップ?勿論、携帯のSDカードにとってあるよ。」

…SDカードにックアップをとってあるなら…。

ふぅ。誠は一息ついた。

…雷…。

誠は平静を保ったまま携帯を持った掌に電流を流す。

周りから見れば誠は携帯とにらめっこしているようにしか見えないが…。

「あっ」

誠が小さい声をあげる。

「黒岡君なにか見つけたの?」

千草が誠に近寄る。

「イトー。なんか携帯の電源おちたぞ。」

誠はそう言いながら暗くなった画面をイトーに見せた。

「あれ?今朝充電したんだけどなぁ。」

イトーはそう言い、携帯を受け取った。

「ホントだ。電源つかねぇや。」
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