満月の夜に魔女はワラう 第一部 新月の微笑
迫り来る火球を前に振られた槍。

槍の切っ先は空を斬る。

切り裂かれた空間は光を発し、光の壁を作り女を包み込んでいく。

火球が光の壁と接した瞬間。

火球は音もなく、世界から消え去った。

それを見つめる二つの視線。

一つは現状を全く理解出来ないまま、女を見つめている誠の視線。

もう一つは少し関心したような綾香の視線。

二つの視線を受けている女は何事も無かった様に再び槍を構えた。
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