満月の夜に魔女はワラう 第一部 新月の微笑
4-Ⅱ
「ここって?」
誠は学内の見慣れぬ施設の中でつっ立っていた。
「無響室よ。音が響かないの。」
そう言いながら千草は鞄をあさる。
「ちょっと聞いてもらいたいものがあってね。」
この部屋は二重になっている。部屋の中に部屋がある。
無響という環境を作り出すために前後左右上下に吸音材が敷き詰められている8畳程の内部屋と、それを囲う様な形にある部屋。
誠は無響となっている部屋の中にいた。
「ここでスか?」
誠はあまりこの部屋が好きではないらしい。
原因は自分の声が響かず、いつもと違う感覚であるのが嫌なのか、部屋を無響にするために床代わりの網の目状に広がる金属が心もとないのかであろう。
誠は学内の見慣れぬ施設の中でつっ立っていた。
「無響室よ。音が響かないの。」
そう言いながら千草は鞄をあさる。
「ちょっと聞いてもらいたいものがあってね。」
この部屋は二重になっている。部屋の中に部屋がある。
無響という環境を作り出すために前後左右上下に吸音材が敷き詰められている8畳程の内部屋と、それを囲う様な形にある部屋。
誠は無響となっている部屋の中にいた。
「ここでスか?」
誠はあまりこの部屋が好きではないらしい。
原因は自分の声が響かず、いつもと違う感覚であるのが嫌なのか、部屋を無響にするために床代わりの網の目状に広がる金属が心もとないのかであろう。