満月の夜に魔女はワラう 第一部 新月の微笑

6-Ⅱ

頭の中にはグルグルと考えが渦巻いていた。

綾香姉ぇは世界を……滅ぼそうとしている。

それは……嫌だ。

綾香姉ぇをそんな人間にしたくない。


電話から聞こえた綾香姉ぇの笑い声。

アレが耳について離れない。無邪気な子供の笑い声の様でもあった…。

思い出すだけでも何故か悪寒が走る。

あの笑い声に入っているのは狂気だ。

あんな話を笑いながら…、正気とは思えない。


千草さんが言っていた悪魔に憑かれるとはこの事だろう。


なら……。俺がすることは…一つ。

綾香姉ぇの悪魔を倒す。


千草さんから聞かされた話の中で魔法契約の解除というものがあった。

それができれば綾香姉ぇは正気に昔の綾香姉ぇに戻るかもしれない。

そう信じるしかない。
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